Student City 2003 5 15
何日か前の新聞に Student City の記事がありました。
これは、学校に仮想の街を作り、仮想の店や会社で、経済を実体験するものです。
生徒が、お金の仕組みや経済の仕組みを実体験することで、効果的に経済教育をするものです。
東京都内の小学校で、この Student City がスタートしました。
これは、会社経営や商品購入を体験する授業を、この Student City で行なうのです。
こういう教育が、今まで、日本の教育に欠けていました。
小等教育にも、中等教育にも、高等教育にも、欠けていました。
この欠けた教育のために、企業は学生を採用しても、すぐ即戦力として使えず、
社員研修という形で、新入社員の教育を行なってきました。
しかし、これでは企業としては、コストがかかりますし、
そもそも、こういう教育は学校でやるべきです。
これでは、コスト削減に追われる企業は、新卒の新入社員の採用を抑制し、
即戦力である社員を他社から、集めてきた方が早いということになります。
歴史を振り返れば、さらに困った問題も発生していました。
国民に経済教育を怠ったために、国民が経済に対し無知であるが故に、
行き過ぎたバブルと、その反動である、行き過ぎたデフレが起りました。
これは、経済を知らないが故の、というより、教育の不備が招いた悲劇です。
さらに頭の痛い問題も発生しています。
それは日本が資本主義国なのに、なぜか経済がわからない政治家ばかりです。
経済がわからない国民に、経済がわからない政治家。
どちらを先に教育していかなければならないか。
これは、経済学者が考えるべき問題です。
選挙に立候補する時に、簡単な経済の試験をやった方がよいです。
どんな教育をしてきたか、わかりませんが、
国民は、娯楽にはくわしく、
政治には疎く、経済に至っては、さっぱりわからない国民になってしまいました。
どのような崇高な理念を掲げて、教育をしてきたのか知りませんが、
実った果実は、この通りです。
実った果実が悪ければ、もとの木も悪かったのです。
政治がわからなくても、経済がわからなくても仕方ないが、
せめて、最低でも、礼節というものを教育してほしかった。
政治もわからない、経済もわからない、礼節も知らない、
わかるのは娯楽だけ。
いったい、どういう教育をしてきたのか。
戦後教育50年の失敗が、やがて、はっきりしてくるでしょう。
しかし、それでは、あまりに気の毒です。